鉄鉢・尚古堂
「さすが尚古堂さんのもの、薄くてしっかり出来ております。」
輪島の尚古堂さんといえばとび切り上物の輪島塗の名店ですが、能登の震災で建物と御家族は皆ご無事ながら、工房のすべてが破損したりして、とんでもない被害をお受けになりました。まだ作品が出来るまでにはかなりの時間を要する状況のようでございます。
ようびが創業いたしましてしばらくして、京都の俵屋さんから御紹介いただいて50年、現在の御当主のお父さまの時代からの御縁でございます。明月椀など時代椀の写しを引き受けて下さったり、難しい注文に懸命に応えていただいてまいりました。ようびにはなくてはならない作者でございます。
眠っておりましたもの、目覚めていただいて何点かお見せいたします。よろしくお願いいたします。
お見せしておりますのは、鉄鉢(てっぱつ)と申し習わしている入れ子の器で、托鉢の僧たちが頭陀袋に入れて持ち歩いていたのがこの形と言われています。もとは金属だったかどうかはしっかりと確かめておりませんが。
さすが尚古堂さんのもの、薄くてしっかり出来ております。お役に立てばと存じます。
工芸店ようび 店主 真木