「白化粧の焼物は以前から悩みの種と申しますか・・・」
長森慶さんの白磁
白化粧の焼物は以前から悩みの種と申しますか、どの様に下の土と白土の収縮率を合わせようとしても剥がれてしまう運命にあります。古い朝鮮半島の粉引(粉青沙器)も偶然美しく残っているものもありますが、大方はどこか剥がれてあわれな状態のものが多いのです。
しかしそれはそれなりの美しさを認め「雨漏」などと名付けて愛でて来ました。けれどもこれを日常使いにするとすればいろいろな支障が起こりせっかくの美しい肌合いも欠けてしまっては・・・。
さまざま考えました結果、長森慶さんが粉引と同じ肌合いのものを造り出して下さいました。古くなるともっとよい風合いになることを信じてお手許に送り出します。
工芸店ようび 店主 真木
昨日ご案内した菊の小皿、いかがでしたでしょうか。
形は魯山人の写しになります。
以前、見込みの部分に線を刻んだ「菱目」と「マス目」をご案内してきましたが、
線を入れると洗う時に汚れがたまりやすいので、線を省略したものを作っていただきました。
名称も線刻が無いので「カガミ・鏡」です^^
そして、こちらは、同じ長森慶さんの「白磁」と「粉引」の汲出です。
どちらがどっち?
どちらも「粉引」のような表情です。
すっきりとしたフォルム、つるんとした表情が多い白磁の中、
今、長森慶さんが挑戦して下さっている「白磁」は、ぽてっと素朴な印象です。
粉引の欠点をカバーして、粉引の愉しさを味わえる「白磁」・・・。
すでに、いろいろな「白磁」を作っていただいていますが、
これからも愉しみです!(^^)/