一面に敷かれた松葉は薄茶色、晩秋の風情がただよいます。
お椀は「松葉図黒糸目椀」、松が画かれていると感覚的にお祝いに用いるものとなり、お正月にふさわしい椀です。一方で、寒くなってくると苔を保護するために敷松葉をするのですが、一面に敷かれた松葉は薄茶色、晩秋の風情がただよいます。茶席に至る露地にほどこされていると、ああ今年も終わりかの感慨があります。その風景を文様にした椀、贅沢なものでございます。
これは江戸(幕末位)の文様で、これほど繊細な文様は、椀を開けた瞬間ほほうと思わせ豊かな気分にさせてくれます。季節を問わずそんな効果はあるものです。
「お正月のコーディネイト」より。
工芸店ようび 店主 真木
今日は「うるしの日」。
平安時代の皇族惟喬親王が、嵐山法輪寺、智恵の菩薩、本尊虚空菩薩から、
漆の製法や漆塗りの技法を伝授されたという言い伝えにちなんだ記念日です。
日本と漆の歴史は、実際はもっと古く、
縄文時代(約9000前)の発掘調査で、漆製品が見つかったそうです^^
さて、「うるしの日」ということで、とても贅沢なお椀をご案内させていただきます^^
尚古堂さんの糸目のお椀に、竹田省さんに松葉の蒔絵・・・。
ちょうどこれからの風景ではないでしょうか。