美しいものの価値・・・

粉引大徳利・小林東五

この大徳利は小林東五師の対馬に開窯なさって二、三年経た頃の作品で、使い始めて四十年を越しました。お酒を入れた後、しっかり水洗いして乾かし、水を張ってしばらく置き又乾燥させてを繰り返し、お酒の匂いが残らない様になってから食器棚に戻す。そうしている内にこんな李朝かと思われるような風合いになりました。器を育てるということはこんなことかと思います。その間の大変で面倒な作業をたのしんでしまわない限り不可能なこと、湯呑やお鉢などは徳利ほど面倒はなくても少なからずこんな作業は必要です。

口の白土が少し剥がれているのも、ヒビの入ったところから白土が釉ごと剥げ落ちているのも、気にならないどころか美しいと思えるのは私が日本人の感覚だからかもしれません。この頃の韓国のお人や中国の方、他の外国の方(一部の方を除いて)はひょっとするとこんなものは割れものと思われるかもしれません。謂わば日本人独得の感性なのかもしれません。作者たちはその狭間で揺れながら、この魅力にとりつかれているのです。

美しいものの価値って何なのでしょうか・・・。

工芸店ようび 店主 真木

店主に「粉引の思い出を何か書いて下さい・・・」とお願いしたら、こんなすばらしい粉引を見せてくれました^^

しっとりしなやかな粉引です。
口の少し剥がれた部分も、剥がれてから時間が経ったのか、すっかり周りとなじんでいます。

時間を掛けて育てる・・・。
うつわを手にした者の役目ですね^^

粉引大徳利・小林東五
粉引大徳利・小林東五
粉引大徳利・小林東五
粉引大徳利・小林東五

粉引

現在、「投稿お知らせメール」を配信できない状態です。
ご迷惑おかけしています。

ようびの器 ものみな美しき日々のために



大阪の器屋「工芸店ようび」 半世紀の記録!

店主 眞木啓子の初めての著書です。
ぜひご一読下さいませ。

全国の書店、オンライン書店(Amazon,楽天ブックス他)、店頭、電話注文にてご購入いただけます。
電話でのご注文の場合、送料は385円となります。
TEL:06-6314-0204

amazon →
rakutenブックス →

TEL:06-6314-0204
この度の能登大地震で被災をいたしました奥田志郎氏に対して、お客様よりようびを通じての温かい御支援御鞭撻を頂戴致し、ありがたく厚く御礼申し上げます。

只今の状況は、輪島市内に関して行政からの進展は遅く、避難所と車の中という暮らしを強いられる状況です(五月十一日にやっと仮設住宅に入れることになったそうです)。

道具その他、壊れた家から出すのは危険を伴いますので、専門家に依頼して、今懸命にお見せ出来るものを含めて探索中でございます。それが済みますと行政が撤去することになると聞いております。

何とか元気にはしていらっしゃる状況でございますので、とりあえず現状の御報告と御支援の御礼を申し上げさせていただきました。

2024年5月1日

工芸店ようび 店主 真木

[mailpoet_form id="2"]