漆器:鶯宿梅蒔絵糸目椀・尚古堂・竹田省
「華やかですが渋い光が落ちつきを保って、中に入るものを待っています。」
名前の由来は紀貫之の娘、紀内待のうた
勅なればいともかしこし鶯の宿はと問わばいかが答えむ
から採られた文様といわれています。
この様に書詰めにして鶯の宿を表したのでしょう。あまり古くからの文様とは思えませんが、明治頃の京の蒔絵師が考えついた名品だったのでしょう。茶器やさまざまなものに展開されている文様です。
輪島の尚古堂さんの繊細な糸目椀に、京の竹田省さんにこの蒔絵をしていただきました。華やかですが渋い光が落ちつきを保って、中に入るものを待っています。
いつでしたか弟が思いもかけずワイルドな味の雉子の丸が入ったお椀を作ってくれたことがありました。京都からのお客様で、寒い寒い日だった記憶があります。
こんな繊細な椀で思いがけなくワイルドな味。そういう意図だったかどうかはもう聞くことは出来ませんけれど。
工芸店ようび 店主 真木
秋本番は、工芸店ようびにとっては、お正月の準備期間でも・・・。
尚古堂さんからも、新春にふさわしいうぐいすと梅が身に蓋に描き込まれたお椀がやってきました。
輪島の塗で京の蒔絵の最良の作り手によるすばらしいお椀です。