「心あてにそれかとぞ見し夕ぐれにほのぼの見えし花の夕顔」
七月に入りますと大阪では天神祭、京では祇園祭の準備が始まります。両方共に鱧祭りとも言われていて、この月には「梅雨の雨を飲んだ鱧が美味しい」などと言い、旬の鱧の味をよろこびます。よいものは品薄で高価なので、この時期に鱧を入手するのは大変です。今年は吉野寿司さんがとても美味しい鱧寿司をつくられていましたので、献立に組み込ませていただきました。
天神祭の定番料理
(1)たこのぶつ切り(わさび)
(2)白天と貝割れのお吸物
(3)蛸の子と三度豆、新小芋の煮合せ
(4)鱧皮のざくざく
(5)鱧寿司
(6)投げ頭巾形のお菓子
(1)夕顔紋平向付・・・・・・たこのぶつ切り(わさび)
乾山の夕顔の茶碗が忘れられなくて何とかこれをお向付にと思っていました。源氏物語の「心あてにそれかとぞ見し夕ぐれにほのぼの見えし花の夕顔」とふくよかな字で書かれています。文字は写せませんが、この夕ぐれに白く浮き上がる夕顔の美しさが出せればと昨年から作ってみたものです。伏原博之さんの力作です。しっかり夏のお向になっています。ちなみに今の園芸種の夕顔は朝顔の変種で、源氏物語の頃の夕顔とは別種の花の形をしています。これは旧夕顔の形です。
内側が「盛って下さい」という風な形にへこんでいますので、花を向こう側にしてゆったり盛れる少し大き目のお向付です。
(後略)
工芸店ようび 店主 真木
先日、「京焼・乾山写色絵夕顔文蓋向付・伏原博之」をご案内させていただきましたが、
こちらは、同じ乾山の写し、源氏物語の夕顔がモチーフの中鉢です。
最初にご案内したのは、4年前の夏。
今年もちょうど天神祭に間に合いました!^^
4年前のものとなりますが、「天神祭のおもてなし料理」をお愉しみ下さいませ!^^