唐津焼:朝鮮唐津結文向付・中村恵子
「食卓に変化を与えてたのしめるものです。」
鱧は関西人が一番好む食べ物ですが、よいものはなかなか手に入りにくくなってきています。「東京の方にも人気が出て来たので」とおっしゃるむきもありますが、庶民の口に入るまでには骨切りという工程を踏まねばなりませんので、仲々にむずかしいものです。
鱧は何にしても美味しいものですが、あっさりと湯に通して牡丹のようになったものを梅酢醤油でいただくのは絶品です。朝鮮唐津の向付は、古い物でこの様な形のものがありますが、この度は中村恵子さんが作ってくださった初めての形です。焼き物に、天ぷらに、お刺身にと食卓に変化を与えてたのしめるものです。
小さな梅酢醤油をつける器は加藤静允先生の写しで、阪東さんにお願いしてとても可愛らしく出来ましたので入れないで見ていただきました。
入角の筒は幾田さんの白で、薄く出来ていますので量もかなり入ります。れんこんと焼きしいたけ、枝豆の胡麻酢あえです。
黒尺3足付丸盆(奥田志郎)はゆったりとした大きさで、お客様用にもお普段使いにも重宝なものです。箸置はリングで吹墨の文様の出来の良いもの。盃は辻村塊さんで、高台が小さくてとてもよい形をしています。飲み口は抜群です。冷酒入れはゆり工房さん作、よく出来ていてほとんど口モレはありません。
工芸店ようび 店主 真木
前回の特集は中村恵子さんの朝鮮唐津の片口でした。
今回は、結び文の形が楽しい朝鮮唐津の向付を中心にしたコーディネイト。
風景を楽しみフォルムを楽しむ。
難しそうなうつわに思えますが、さまざまなうつわをまとめてくれる朝鮮唐津です。