漆器・飛騨春慶塗:大徳寺重・滝村弘美

「桧の木地に直接拭漆をしてしみこませながら最低8〜11回、その上に花漆を1回、物によっては2回施します。」

春慶塗

春慶塗は黄色っぽくてあまり丈夫でないぬりものと思っていらっしゃる方が多いと思います。 それもそのはず、産地の一般の飛騨春慶は、オーラミンという染料で黄色に染め、それを呉汁(豆をつぶして煮た汁)につけて乾かし、もったいないことにその上に最高の透漆を塗ったものなのです。そのようにすると漆を塗る回数が少なくて済むのです。

産地の商品はその様な造り方で出来ているので、呉汁が木部を覆っていて、漆は木部に密着していません。それ故、上に塗った漆が剥がれるというわけです。この手法はどちらにしても古いものではなく、昭和に入って編み出されたものです。(※長い間この手法で産地は成り立って来ましたが、今はオーラミンはあまり使わないそうですし、呉汁につけるという方法も一般には行われておらず、カゼインやウレタン等を使ったものが多いそうです。)

30数年前、飛騨春慶の作家・滝村弘美さんが、古い春慶や粟野春慶等はそんなものではなかったことをつきとめ、故 奥田達朗氏から下塗りに油なしの漆を使ったものではないかとの アドバイスがあり、滝村さんはそれ以来この手法でさまざまのものを作って来られました。

桧の木地に直接拭漆をしてしみこませながら最低8〜11回、その上に花漆を1回、物によっては2回施します。木地は桧(国有林のものと民材があり、使用法によってどちらかを選びます)、他に松、栃などです。とにかく木地も漆の材料もとびきりよいものを使わないとこの艶にはならないのです。

こんな立派な仕事が今、窮乏の危機に直面していて、大変もったいないこと、なんとかお仕事を続けていってほしいと思うばかりです。

工芸店ようび 店主 真木

御茶事などで、様々な調理法で作られた旬のお料理を盛り込む大徳寺重。

お正月の一人分のお重箱としても、あるいは、お寿司を入れたり、
家庭でも気軽にお使いいただけます。

今の季節なら、鱧ずしです。
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工芸店ようび 店主 真木

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