ガラス：タテモールタンブラー・福地ガラス工房

コップ

一日に何度も使うコップを真面目に探してみると仲々よいものは見つからないと聞きました。

ここに御紹介する福地さんのコップいろいろは、タンブラーとかグラスとか呼ばれているようなものではなく、私たちが持っている所謂コップというイメージのものです。
底の厚みと口の厚さの差があまりなく、洗う時に手がすべる可能性が少なく、容易に手が入って洗いやすく、口づくりがなめらかで飲みやすく、欠けにくい。モール模様が自然な感じで持ちやすくと、高い頻度で使っていただくための諸条件を備えています。

形や大きさなどはご注文させていただくことが多いのですが、なめらかさと云い透明感は福地さん独自の美しさで、そのことをお訊ねしましたら、買ったガラスの材料ではなく原料を御自分でブレンドして透明感やなめらかさを出しているとの事。この努力がさまざまなガラスとしての条件をクリア―しているのだと解りました。

他のことは外の工芸ガラスをしている人は誰でもしていることなのでと謙遜におっしゃって、こうして作りますとか、こんな努力をしていますとかあまり教えていただけません。「シンプルで飾りが少く透明なものを作りたい」とのこと、工芸家らしくすがすがしいお話ぶりです。ようびもその様に思っています、と申上げて殆んど初めての取材は終わりました。

工芸店ようび 店主 真木