富士とは神々しいお山です。
京焼の古い富士山の形をしたお皿の写しを作ろうと、三年前から伏原さんにお願いして作っていただいておりましたが、何とかこの度、形になって出来上がりました。
先日、富士山を背に「羽衣」という能を見てきましたが、何とも神秘にみちた美しい形をした山だと改めて見入りました。西側から見る富士は夕刻、夕日に映えて赤富士となり雲の中に消えて行きました。一瞬の夢のようなひとときでした。おシテが突然、型にない(定まった動きでない)仕草で富士に向って南無帰命月天子。本地大勢至。と思いがけず手を合わせられ、一同大変感激いたしました。それほど富士とは神々しいお山です。そんな感覚まで写しとることも、使う方に感じていただくことも難しいのですが、松が少しは色を添えているのかと思っています。
お椀は「松葉図黒糸目椀」、松が画かれていると感覚的にお祝いに用いるものとなり、お正月にふさわしい椀です。一方で、寒くなってくると苔を保護するために敷松葉をするのですが、一面に敷かれた松葉は薄茶色、晩秋の風情がただよいます。茶席に至る露地にほどこされていると、ああ今年も終わりかの感慨があります。その風景を文様にした椀、贅沢なものでございます。
これは江戸(幕末位)の文様で、これほど繊細な文様は、椀を開けた瞬間ほほうと思わせ豊かな気分にさせてくれます。季節を問わずそんな効果はあるものです。
工芸店ようび 店主 真木
2017年、お正月のコーディネイト第一弾です!(^^)/
一点ずつは、お正月用の道具というわけではありませんが、
一点ずつ吟味をして組み合わせると、
どこから見ても・・・ですね(o^^o)